ブルーカーボンとは?

ブルーカーボンとは?

ブルーカーボンとは地球温暖化の最大要因であるCO²を海洋生態系が取り込む事をブルー・カーボンと呼び2010年国連環境計画にて発表された。
その海洋生態系の中で藻場のCO²吸収量は海洋面積全体の1%未満であるにもかかわらず全体量の40%を超えるという試算が発表されている。このような理由から藻場面積を増やすことが地球温暖化防止に大きな役割を果たし、地域に豊かな海を蘇らせると共に、環境保全に貢献する。

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海藻の役割

藻場は、海中の様々な生物に隠れ場所・産卵場所などを提供し、窒素やリンなどの栄養塩を吸収して光合成を行い、 水の浄化や海中に酸素を供給することで浅海域の生態系を支えている。 藻場の植物体自体がアワビ等の貝類を始めとする色々な生物の餌になるだけでなく、 海藻に付着した微細な藻類や微生物が小型甲殻類や巻貝の餌になっている。 それらの小型の生物がいることにより、それらを食べる魚類も集まってくるため、 藻場は、生物多様性と生産力が高く、日本では古くから漁場として利用されてきた。 また、農業の肥料として利用されていたこともある。

環境省環日本海海洋環境ウォッチより抜粋

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藻場の炭素吸収力

藻場はアマモやウミヒルモなどの海草類とワカメやアントクメ、ヒジキなどの海藻類に分類される。どちらも光合成を行い二酸化炭素を吸収する。また海草が生える干潟のような砂泥地自体も炭素を吸収し、何千年も固着吸収することが解ってきた。
甲浦湾ではこの砂泥地面積が広く、アマモ場の発育も良いことからブルーカーボンの視点から大いにカーボンニュートラルに貢献できるのではと期待が持てる。

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ブルーカーボンのメカニズム

ブルーカーボン生態系による隔離・貯留のメカニズムは、大気中のCO2が光合成によって浅海域に生息するブルーカーボン生態系に取り込まれ、CO2を有機物として隔離・貯留する。また、枯死したブルーカーボン生態系が海底に堆積するとともに、底泥へ埋没し続けることにより、ブルーカーボンとしての炭素は蓄積される。岩礁に生育するコンブやワカメなどの海藻においては、葉状部が潮流の影響により外洋に流され、その後、水深が深い中深層に移送され、海藻が分解されながらも長期間、中深層などに留まることによって、ブルーカーボンとしての炭素は隔離・貯留される。
国土交通省-ブルーカーボンのメカニズムより抜粋

ブルーカーボンへの取組

政府の取組状況

2017年には、研究機構や学識者などが「ブルーカーボン研究会」を設立し、2019年には、国土交通省が「地球温暖化防止に貢献するブルーカーボンの役割に関する検討会」を設立。 さらに2020年には、日本で初めての技術研究組合「ジャパンブルーエコノミー(JBE)」が設立されるなど、ブルーカーボンの活用や高度な増養殖技術開発などについての検討が進められている。

地方自治体や民間団体の取組

横浜市や福岡市も独自にプロジェクトを進めブルーカーボンを推進している。 横浜市においては独自のカーボン・オフセット認証取引制度「横浜ブルーカーボン」を導入。 三浦半島や伊豆半島などの地域でも民間組織が知恵を出し合い協働でプロジェクトを進めている。

今後の課題

ブルーカーボンという言葉自体に認知度が低くいまいち浸透していない。 また研究機関も海洋生態系のCO2吸収メカニズムについては明確になっていない部分もあり研究が進んでいないのも事実。 今後は関係機関が連携し研究を促進する必要があろう。